都内の私立大学を卒業後、とある企業の営業職で入社しました。
東証上場企業のグループ会社ということもあり、入社時は一生安泰だと考えていたのですが、実際に勤務してみるとブラック企業で・・、
伝統的に体育会系の会社ということもあって、根性と忍耐を強要されました。無理にでも数字を上げることが求められ、社内でも指導という名の下のパワハラは日常茶飯事でした。
上司にあたるエリアマネージャーに毎日のように怒鳴られ、深夜までの及ぶサービス残業、休日を返上してのミーティングや臨時出勤・・。
当然、離職率はかなり高く１年経過した時点で同期の７割近くが退職していました。私も１年目、２年目はなんとか耐えていましたが、3年目で体調を崩しがちになり、心身ともに不具合を感じることが多くなりました。
そこで精神科に行くと、うつ病と診断され・・退職を決めました。退職もかなり大変で、上司がなかなか退職届を受け取ってくれませんでしたが、相談した弁護士からのアドバイスのおかげもあり、なんとか退職。今から考えると、もっと早い段階で辞めるべきだったです。
家族の理解もあり、退職後は実家に帰って1年ほど自宅で療養をしました。しかし、地方の田舎ということもあって近所の人のなかには、「あの家には怠け者がいる」とバッシングしてくる人もいて・・社会復帰せねばという気持ちが強まっていきました。
そこで、体調に無理のない範囲で転職活動をしはじめました。最初は求人サイトに登録して、自分ができそうな仕事を探しました。次はどんな仕事をしたいか考えたとき、ノルマの課せられない仕事がいいと思いました。
そこで思い当たったのは事務職です。また、私はブラック企業で心身ともにボロボロになったので、社会的弱者に手をさしのべるような仕事を次はしたいと思いました。
とはいえ、事務職は競争倍率も高く、運転免許くらいしか資格も持っていなかった私にはなかなか吉報は届きませんでした 中には書類が通過したときもありますが、面接で前職を辞めた経緯を話すと、どこも怪訝な顔をされ落とされました。
そこで、転職エージェントに登録。自分に合った企業を紹介してもらうスタイルで仕事を探すように方向を変えました。
転職エージェントに登録したときは、キーボードでの文字打ち込みなどスキルチェックなどもあったほか、履歴書や職歴書をもとに担当者がいろいろ話を聞いてくれました。
私は前職で経験したことや、これからやってみたいこと、現在の状況などを転職エージェントの担当者に包み隠さず伝えました。今考えると、それが良かったと思います。変に格好をつけて自分の良い面だけを伝えていたら、マッチする企業を紹介してくれなかったことでしょう。
「良さそうな会社があります」ということで転職エージェントの担当者は、ある求人情報をプリントアウトしてくれました。それが、今働いている会社なのですが、福祉にたずさわる企業の事務職の求人でした。
条件など聞き、応募しようと思いました。その理由としては障がい者の雇用も積極的におこなっている会社で、うつ病にも理解がある会社ということが大きかったですね。
給料は前職と比べると安いものの、休日や勤務時間、福利厚生など条件を見て、無理なく働けそうだと感じました。
転職エージェントでは、履歴書の添削や面接の練習などもしてくれました。転職活動は、新卒時の就職活動と違って、孤独と不安で苦しみがちなもの。それだけに、いろいろサポートいただいたことは心強かったですね。
なお、志望動機に関するアドバイスもすごく参考になりました。たとえば、事務職未経験ということについては「前職の営業で培ったコミュニケーション力を事務処理でも活かしたい」という流れで話したらいいというアドバイスをもらってからは、引け目を感じなくなりました。
いざ迎えた本番。面接は聞かれることを想定して何度も練習して臨んだのであまり緊張しませんでした。むしろ、楽しみでした。面接をしてくれた採用担当者（現在の直属の上司）、社長も朗らかな方で、転職エージェントで聞いていたとおりでした。
面接を受けて、ぜひ、入社したいと感じました。
2度の面接を終え、無事に内定の連絡をもらったときは本当にうれしかったです。転職活動を始めたときと比べて大きく成長できたと実感もできました。
今ではその会社に入社してから3年目になります。心身ともに調子ももどってきて、やさしい同僚たちに囲まれて楽しく仕事をしています。入社１年目には体調が悪くて大きな仕事でミスしたこともあるのですが、同僚の皆は誰一人と叱らず、カバーしてくれました。
この会社に入社して本当に良かったと思いましたね。また、採用に至るまでの道筋をつくってくれて入社後もあたたかく気にかけてくれていた転職エージェントの皆さんにも感謝です。
ノルマもなく、自由度が高い点も自分に合っている会社だと感じています。「ありがとう」の言葉をひとつでも多くもらえるよう、これからも頑っていきたいと思います
