アルバイト求人誌などで「12時間調査 交通量調査員・渋滞長調査員募集」みたいに人材募集している求人を見かけたことはないでしょうか?交通量調査、渋滞長調査ともにいずれも道路と車に関する調査。交通量調査を知っている方は多いと思いますが、渋滞長調査というのはあまり知られていないかと思います。私は1度きりですが渋滞長調査の短期バイトをやったことがあります。今回はその体験談を書いてみたいと思います。
調査数日前にて、2時間ほどの研修がありました。マニュアルをもとに、交通量調査、渋滞長調査両方の説明を受けました。
交通量調査は車の数を数えて記録するだけなのでわかりやすかったです。ただ、渋滞長調査に関しては、「滞留長」「渋滞長」「捌けのこり」といった専門用語がいろいろあり、ほとんど理解できませんでした。
アルバイト当日、指定された駅前に朝6時に集合。集まった調査員たちをぞろぞろ引き連れて、調査会社の社員さんが調査地点まで案内してくれました。
じゃんけんをして交通量調査と渋滞長調査のどちらかを選ぶことになりました。集まった24人のうち21人が交通量調査、渋滞長調査にあてられたのは3人のみでした。
私はこともあろうにじゃんけんで最後まで負けてしまい。渋滞長調査をやることになりました。じゃんけんに勝った人たちは、みんな分かりやすい交通量調査を選んだのです。
「やば・・どうしよう・・」と思いました。まさか自分が渋滞長調査をやることになるとは思っていなかったのです。研修ではよく理解できなかったので、現場で渡された現地地図のコピーとともに、30分ほどでマニュアルを再度読み込み。何とかギリギリになって理解できました。
当日渡されたヘルメット、安全ベスト、(調査員と書かれた)腕章を着用して7:00に調査開始。
調査時間は朝7時~夜7時までの12時間でした。交代しながらの調査なので、実質的にはひとり8時間が調査時間ということになります。2時間調査して1時間休憩というサイクルを繰り返していきました。
渋滞長調査とは、一体どんな調査をすればいいのかについてですが、簡単に流れを書いてみたいと思います。簡単に言うと、指定された交差点付近をうろうろして、時間を記録したり、車の列の長さを計測して記録していく調査です。
まずは赤信号から青信号になるのを待ちます。青信号に変わった瞬間、その時刻と滞留長を記録します。滞留長とは、交差点の信号とそのとき最後尾の車の間の距離のことです。
その距離の計測については、当日渡された現地地図のコピーをもとに計測します。10m間隔で記入するので距離はアバウトでOKです。
青信号で最後尾の車が発進したら、その車に注目しておきます。道が渋滞していなければ、しばらくして交差点の信号を通過するかと思います。通過したらその時刻と、どちらの方向に走っていったかを記入します。そして渋滞はしていないということで渋滞長=0mと記入します
ただ、もし道が渋滞していたとしたら、その最後尾の車はおそらく赤信号で再び停まってしまうことでしょう。停車したらそのときの位置と交差点の信号の間の距離を計測。その距離が渋滞長ということになります。渋滞長についても現地の地図コピーを参照して計測します。
あとはその車が交差点の信号を通過するまで観察します。そして、通過した時刻と走っていった方向を記録。さらに、何度目の赤信号で通過したか、渋滞の原因は何なのかも記録します。
以上のような作業を10分に一度行い、繰り返していくというのが渋滞長調査の仕事内容です。
文章で書くと難しそうに思われるかもしれませんが、意外とラクだなと私は思いました。
朝と夕方は通勤時間帯になることで、何度か渋滞してそれなりに忙しく過ごしました。ただ、昼間となると道が渋滞するようなことはなくなり、やることがほとんどなくなりました。
例えば、滞留長が20mくらいの場合、10秒もかからないでその時点の最後尾の車は交差点の信号を通過します。そんなときは、時刻を2回(赤信号が青信号になったとき、最後尾の車が交差点の信号を通過したとき)を記録し、滞留長20m、渋滞長0mと書いて終わりです。
渋滞長調査は10分おきに計測すればいいので、上記の記録が1分くらいかかったとすると、10分のうちの9分くらいはやることがなくなってしまいました。ですから暇になり、意味もなく交差点付近をうろうろ歩いていましたね。
渋滞長調査は交通量調査と違って立ちっぱなしの仕事ではありますが、警備員のように直立不動である必要はないので、足もそう疲れませんでした。また、他の調査員と交代するときは少し喋ったりしますが、一日のほとんどの時間は1人で作業をしているので気も楽ですし。
12時間の調査時間が終わり、19時になると後片付けをして社員さんから手渡しで日給をもらいました。確か日給は8500円だったと思います。その日給が高いか安いかは人によって感覚が違っていると思います。私の場合、実働時間8時間で計算すると時給1000円越えているので、なかなか割が良いバイトだなと感じました。
(意外と楽だった短期バイトの体験談 30代男性)