保育士を辞めた理由
私は大学の保育科卒業した20代女性です。保育士資格を習得し保育士として働いていました。大学時代には実習等もあったので、保育士の日常業務については理解して就職しました。周りのほとんどは保育士になったので、自分も特に違和感なく仕事を決め働き始めました
しかし、就職して3年が経った頃、同じクラスを受けもつ先生(保育士)との人間関係が悪くなりました。かなりヒステリーなところがある先生で、たまったストレスをぶつけてくるような人でした。
クラスは1年間同じですから、毎日のようにその先生と顔を合わせてコミュニケーションをとりながら仕事を進めていかなければいけません。それは当時の私にとってはかなり負担で、抱えきれなくなりました。
このままでは、自分が精神的にダメになってしまうと思いました。半ばうつ病に近い状態になってしまって、体が重くて、意識が遠のくような感覚に陥るときもでてきました。このままでは、関わってる子ども達にも悪影響が出てしまうのではないかと怖くなり転職を考えました。
退職直後に感じた悩み
退職願いを出した後、1週間ほど体を休め、失業保険の手続きに向かいました。
失業保険を受けるには、説明会への出席が必須でした。説明会会場では、予想以上の人数と、私とさほど変わらない20代の方も沢山いました。
手元の資料を見て説明を聞きながら、職を失うことの現実を感じ将来に不安を覚えたことを思い出します。
私はこの説明会の後、失業保険を申請することなくすぐに再就職(とりあえず、アルバイト)を始めました。
次に待っていたのが、所得税と住民税の支払です。会社に属していた時は、会社から自動的に引き落とされていたので全く気にも止めていませんでした。しかし、これを自分のアルバイトの給料から払っていくのは、とても大変でした。
人間関係を苦にして保育士を辞めたものの、本当に良かったのか?と後悔し、社会に出るための勉強が、足りなかったと痛感させられました。
そこから住民税の控除の方法など調べる作業へ。今ではその仕組みを理解できたので、今になって振り返ってみると経験しておいてよかったと思っています。「ただ生きているだけで、こんなにもお金がかかるのだ…」ということを知ることができたからです。
生活していくためには、やはり定期的にしっかり収入が入ってくる仕事に就くことが第一です。それにようやく気付き本格的に転職活動を始めました。
本格的に転職活動をスタート
アルバイトのない日などはハローワークに通って転職活動をしました。ハローワークは手軽に求人を調べることができますし、何より窓口ではいろいろ相談にのってくれるのが良かったですね。進路相談から人間関係の悩みまで親身に相談に乗ってくれました。
ハローワークの方に履歴書の添削をしていただき、自分の出身大学にも顔を出しいろんな方向から情報を集めました。
しかし、いざ転職しようと思っても、なかなか給料面や雇用形態など条件が合う会社が少なく再就職までにはいろいろ苦労しました。
私が転職活動を始めた頃に、ちょうど転職の情報を掲載するアプリなども出てきました。
そこで何か所か登録してアプリからも転職に関する情報収集をしました。
アプリはスマホでどこにいても簡単に操作できますし、私の住んでいる地域以外の最新の情報が日々更新されていたので、会社を比較するにはとても役に立ちました。
私は保育士としてのキャリアしかなく、それ以外の知識やスキルはほとんどありませんでした。高い学歴があるわけでもありませんし、何より、精神的に少し不安定になっていて、オドオドしていました。
そういったこともあってか、書類選考は突破してもなかなか面接は進むことができず、不採用通知を数え切れないほどいただきました。しかしあきらめず試行錯誤して会社にエントリーしているうちに、転職先が決まりました。
転職してから思ったこと
今の会社に転職して4年の歳月が流れます。業務内容や待遇にはやや満足しています。ただ、毎日がハッピーなのかというとそうでもありません。やはり付きまとうのは人間関係・・。
楽しく仕事をしていくためにコミュニケーション力を高める努力もしているのですが、気が合わない上司と仕事をするのはやはり苦痛です。
事務系の仕事をしているのですが、現場を裏で仕切っているお局様がいて、その人の機嫌を損ねたら陰湿ないじめが始まったりもして・・もう人間関係の問題だけはどこの職場にいってもつきまとう問題なのかなと最近気づき半ばあきらめています。
だから、転職によって人間関係の問題を解決できるかというと、そうとは限らないということいえると思います。
人間関係を苦に職場を辞めて転職をしても、また新しい職場でも人間関係の何らかの悩みが発生する・・組織のなかで働く以上、それからは逃げられないのかもしれません。
でも、保育士時代と違うのは、転職してから4年目ということもあり、後輩の指導をする機会も増えてきたことです。
今は、後輩の成長が楽しみでもあり、そのことがやりがいに繋がっています。自分ひとりなら、また前職と同じように会社を辞めていたかもしれません。でも、後輩のために!と考えることで、力が湧いてくるといいますか、もう少し頑張って働けそうです。
(転職の体験談 20代女性)