え?年収500万円以上の人でないと、中年層は日雇い派遣の仕事をできないの!?2012年に改正された労働者派遣法について疑問に思ったこと(フリーター 40代男性)

派遣の仕事
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私は某派遣会社に登録している(いるだけの?)40代のフリーターです。今のところ仕事らしい仕事をしておらず、他の道で仕事探しをしようと模索している段階です。

大学を卒業後に入社した企業はいわゆるブラック企業でした。残業の嵐の上に、直属の上司や先輩からのパワハラを受けました。長年にわたってずっと耐えていたのですが、心身ともに疲弊してしまい、うつ病になって退職しました。以降は実家に戻り退職金を切り崩しながらうつ病の精神療養していました。しかし働かなければ生活をしていけません。両親もいつまでも元気であるとは限りませんし・・。将来を不安視に思って、どこかで働かねばという思いが高まっていきました。

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といっても、前職で上司から受けたパワハラがトラウマになり、正社員として勤務する自信はすっかり失っていました。会社もそうですが組織は、実際に中に入ってみないと分からないことがたくさんあります。

もし正社員としてどこかの会社に入社して、またパワハラをされるようなことが起きないとも限りません。そうなると、正社員は簡単に辞められませんからまた逃げ場がなくなってしまいます。

ですから、私は「長期勤務の仕事」に対して極度の恐怖を感じていました。それでいろいろ考えてみたところ、単発でできるような日雇い派遣の仕事なら何とかやれるかもしれないと思いました。

なぜなら日雇い派遣の仕事なら現場はそのとき限りだからです。もし自分に合わない上司がいたとしても、その現場には二度と入らなければいいからです。そう考えると気がラクになりました。

派遣会社と言えば、もう随分前に登録していただけしていた某派遣会社がありました。かなり久しぶりにサイトを開いて短期の仕事を探してみると、「データ入力の単発派遣」の仕事が見つかりました。

まずはこの単発派遣の仕事からやってみようと思いました。前職ではパソコンを仕事でよく使っていただけにブラインドタッチもお手のものです。

派遣先にもきっと貢献できるだろう。そう考えエントリーしたところ、派遣会社からまさかのメールが返ってきました。

「残念ながら〇〇様には当案件にはエントリーいただけません」

不採用の通知なら納得いきますが、まさかエントリーできないというのは想定もしておらず、メールに記載されていた電話をかけてみたところ、窓口の担当者が電話にでて理由を説明してくれました。

「以前は日数に関わらず皆様に派遣の仕事をしていたいただいていました。しかし20012年に労働者派遣法が改正されてからは日雇い派遣の仕事は原則禁止になったんですよ」

話によると、日雇い派遣と定義される30日以内の派遣の仕事は、例外を除いて禁止されているというのです。例えば「データ入力 単発/雇用形態:派遣」「一般事務 2週間のみ/雇用形態:派遣」のような短期間の派遣の仕事は原則できないというのです。

ただ、例外があるとのこと。以下のような条件を満たす人に限っては、30日以内の日雇い派遣の仕事であってもOKとのことでした。

①60歳以上の方
②昼間学生
③生業収入が年間500万円以上の方(副業として派遣労働を行う場合)
④生計を一にする配偶者等の収入により生計を維持する方で、世帯収入の額が年間500万円以上(主たる生計者以外の方)

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派遣会社の人は次のように言いました。

「①~④のうち、何か該当する条件はありませんか?もしありましたら、証明できる書類を提出していただくことで〇〇様も単発派遣の仕事もエントリーいただけますが」

私「そうですね・・」

私は言葉に詰まってしまいました。私は現在40代のフリーター。20年近く前に学校は卒業していますし、①②は該当しません。収入は年収500万円どころか年収ほぼ0。両親も貧乏で細々と年金暮らしをしている状況です。世帯年収に関しても500万円に届くはずもありません。つまり③も④にも私は該当しないというわけです。

派遣会社「当てはまるものは1つもありませんか?」

私「そうですね・・ありません」

派遣会社「では、今回のお仕事はご縁がなかったということで」

私「は、はい・また何かあればよろしくお願いします・・」

そういうやりとりをして電話を切りました。しかし、何とも納得いきませんでした。それは「③生業収入が年間500万円以上の方(副業として派遣労働を行う場合)」の項目についてです。

そもそも収入が低くて何とか生活をできるようにがんばろうと思って派遣会社に仕事を求めているわけです。それが年収500万以上ある人でないと、30日以内の日雇い派遣はエントリーすらできないというのです。そんなバカなことあるわけないだろう?と感じました。

そもそも、年収500万円以上もある人がわざわざ派遣会社で日雇い派遣の仕事をするものでしょうか?

もし仮に、私が年収500万円以上稼いでいるお金持ちなら、仕事のない休日はバカンスにでかけるか、家でゴロゴロ過ごすと思います。年収500万円以上もあれば生活にも困らないでしょうし、わざわざエネルギーを投じて休みの日に働く必要もないわけですから。

それに本業のほうが日雇い派遣より稼ぎの効率もいいでしょうから、わざわざ休みの日を割いてまで日雇い派遣の仕事をしよう発想には少なくとも至らないのではないかと思います。

何だかわけがわからなくなり、派遣会社にもう一度電話をしました。

私「たびたびすいません・・先ほどの件ですが、年収500万円以上もないと日雇い派遣はエントリーできないというのは一体どういうことなのかな?と思いまして・・。私が日雇い派遣の仕事にエントリー出来る状態をつくるには、私が年収500万円以上のお金持ちになるしか道はないのでしょうか?」

すると派遣会社の人は困ったようにこう言いました。

派遣会社「ん・・申し訳ないですがそういうことになりますね。」

私「そうですか・・私は年収が今はとても低いです。ですから派遣会社で再起をかけてがんばろうと思ったのですが・・。やる気があっても年収500万円ないと門前払いとは、なんだか釈然としないのですが・・」

派遣会社「同じようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。ただ2012年に改正された労働者派遣法で決められていることですので私どもとしても何とも・・。」

私「ちなみに、年収500万以上もある人で派遣会社で日雇い派遣のお仕事をされる方って、そんなにたくさんいらっしゃるものですか?私はほとんどん該当者がいらっしゃらないのではないか?と想像してしまったのですが・・」

派遣会社「ん・・何ともこちらでは申し上げられませんが、中には本業で稼がれていても、趣味的に派遣の仕事をされている方は中にはいらっしゃるとは聞いています」

私「そうなんですか・・趣味的に・・。余裕があって趣味的に仕事をする人がOKで、明日の生活の糧を何とかしなければいけない立場の人間が門前払いというのは何とも不可解にも思えるのですが・」

派遣会社「申し訳ございません・・。ただ、派遣会社でも一部、業務委託の案件もございます。業務委託の仕事は派遣の仕事に比べると断然数としては少ないですけれど・・。そんな案件でしたら〇〇様でもエントリーいただけますが。」

私「そうなんですか・・ちなみに、今業務委託で募集されている案件はどんな案件があるんですか?」

派遣会社「今現在ですか・・。少々お待ちください・・。ん・・そうですね・・現時点では特に募集している案件はありません。来月か再来月あたりに試験監督のお仕事か何か発生するとは思いますが」

私「そうですか・・では現状では私がエントリーできる短期の仕事は1件もないということですね」

派遣会社「はい。残念ながらそういうことになりますね・・。あとは長期のお仕事をご検討されるかです。日雇い派遣の場合、〇〇様の場合、やはり厳しいかなと存じます・・」

私「そうですか・・またいろいろ検討してみます」

そのようなやりとりをして電話を切りました。

あとは調べると、以下のような専門的な業務については例外的に日雇い派遣であっても働くことが認められているとわかりました。

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ただ、これらはいずれも専門的な職種ばかりです。ひょっとしてデータ入力の仕事はそれらに該当しないかな?と思い、改めて派遣会社に電話をしてみましたが「該当しない」という回答が返ってきました。

以上のような派遣会社との電話でのやりとりを通して、現行の労働者派遣法って何なんだろうな?と何とも腑に落ちない気持ちになりました。

それは、派遣会社では私の再起への道は叶えられそうにないとわかったことにもありますが、社会から疎外された気持ちになったからです。

本来、労働者派遣法も労働者を守るための法律であるはず。しかし、残念ながら労働者を守るどころか除外しようとしているとしか感じられなかったのです。

おそらく私のような、長期の仕事をしたくてもできない事情がある中年層は結構いらっしゃると思います。うつ病など精神的な病を抱えていて長期の仕事をできない人、正社員の仕事を探しているけれどなかなか転職活動がうまくいかない人など。

それでも何とかがんばろうとして派遣会社の門を叩いた人も多いでしょう。

しかし2012年に改正された労働者派遣法においては、中年層は仮にスキルややる気があっても、日雇い派遣は原則としてエントリーすらもできません。そんな状況で日本の社会は良い方向に本当に向かっているのだろうか?そんな疑問も湧いてきました。

  (フリーター 40代男性)

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