私は美大を卒業して現在は都内で OL として働いています。学生時代にいくつかのアルバイトをしましたけれども中でも一番楽だったのは美術館監視員のアルバイトです。
こちらは大学の先輩が教えてくれたものでほんの時々短期でやっていました。美術館に行くと学芸員の人々とは違っていすに座っている人を見かけたことがありませんか?
私は時々美術館に行くたびにあの人たちは一体何なんだろう?と思っていたのですけれどもそれが私がやることになった美術館監視員のアルバイトなのです。
一体どのような仕事内容なのかというと、美術品が壊されたりしないように見守るという仕事です。美術館にはたくさんの人がやってきます。なかには飲食をしたり作品に触ったりなど禁止されている行動をとる来館者もいるかもしれません。
そんな人を見かけた時注意して美術品を守るというのが美術館監視員の役割です。文章で書くと責任重大で非常に難しい仕事のように思えるかもしれません。
実際私も最初このアルバイトするまではそのように思っていたものです。また美術に関する専門知識についても聞かれるのかと思い、急いでその美術館に常設されている作品の知識を覚えたりもしたものです。
しかし実際にアルバイトをやってみると、全くの拍子抜けと言いますか暇で暇で仕方ない仕事でした。
もちろん不測の事態が起きることに備えているわけですけれども、その不測の事態というのがほとんど起きないのです。
美術館にいらっしゃる方の多くはマナーのある方ばかりで、作品にさわったり展示室内で飲食をしたりというような人はほとんどいません。となるとほとんどやる仕事がないというわけなのです。
仕事内容としては展示室の隅に置かれた椅子に座って監視していること。ただそれだけです。ですから監視員としてしっかりアルバイト料をもらって仕事をしているものの、実際は椅子に座ってぼーっとしてる人というのが実際のところでした。
ごくたまに話しかけてくる来館者もいますけれども、たいていはお手洗いはどこですか?いつまで展示が行われてますか?みたいな簡単な質問ばかりでした。中には展示作品に関する詳しい説明を聞きたいという人もいましたけれど、その場合、学芸員に連絡してバトンタッチするだけです。ですから自分自身が美術に関して何の知識もなくても全く問題もありませんでした。
土日祝日や夏休み春休みと言った期間には美術館は沢山人が来ることがあります。ただ、たまたま私がよくアルバイトをしていたその美術館はあまり人の出入りがない郊外にある美術館でした。
ですからそう言った繁忙期と言われる時期や曜日であってもそう 来館者は多くなく、平日となると、1時間そこの場所にいても誰一人展示室内に来ないという時間すらあったことです。
そんなこともあり、担当者からは来館者がいない時は適当に立って歩いたり読書をしてくれてもいいよと言われていたほどです。
美術館は冷暖房や空調設備など大変行き届いていますから、季節を問わず快適そのものです。そこにただいるだけでお金をもらえてしまうわけですからこんなに楽なアルバイトはないなと思ったものです。
ただ美術館監視員のアルバイトは早々募集があるものでもないようです。私の場合美大に通っていたということもありたまたま声がかかりましたけれども、世間一般で出回ってない求人なのかもしれません。ただもしあれば非常に楽なアルバイトだと思っていいかと思います。
以上美術館監視員バイトの体験談でした。
(バイト体験談30代女性)