体験談 生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金貸付10万円/20万円)申請のために必要な書類&申請して分かったこと、感じたこと

世間の話題
スポンサーリンク

私は、某地方都市に住む30代男性です。持病があり、定職には就くことができず、交通量調査、試験監督など、日雇いのアルバイトをメインで生計を立ててきました。

それでも何とか社会復帰しようとがんばろうとしていた最中、新型コロナウイルス感染拡大が起きました。

緊急事態宣言も発令され、4~5月に予定されていた仕事のほぼすべてはキャンセルになりました。普段の生活ですら綱渡り状態だったので、たちまち生活が苦しくなりました。焦って、他のアルバイトにいくつも応募しましたが全て不採用に。生活費がいよいよ底をつきかけました。

そんなとき 生活福祉資金貸付制度というものがあることをテレビを観て知りました。行政に頼るなんて最後の手段だと思っていた私ですが、所持金が1万円を割り込み、もうどうしようもないと思い、恥を忍んで、窓口である社会福祉協議会に電話をしました。

申請するためにはどのような書類が必要なのか、どんなやりとりがあるのかなど、初めて体験することばかりでした。そこで分かったこと感じたことを当記事でまとめてみました。

※市町村により必要書類や申請の流れは異なっているようなので、あくまでも参考程度にされてください。

生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金とは

今回の新型コロナ問題で、苦しい生活を余儀なくされている方は多いかと思います。私もそのひとり。そのような人を対象に、国が設けている制度の一つに生活福祉資金貸付制度というものがあります。

緊急小口資金(新型コロナ特例)について

生活福祉資金貸付制度のなかで、新型コロナの影響で緊急かつ一時的な生計維持が難しくなった世帯を対象にしているのが緊急小口資金(新型コロナ特例)です。

貸付金額は10万円以内(特別な場合は最大20万円以内)を、無利子、保証人なしで貸してくれるというもの。返済は1年後からで償還期間は2年(24回払い)以内。(詳細は厚生労働省のホームページをご参照ください)

緊急小口資金(新型コロナ特例)を借りるためには、一般的には、地元の社会福祉協議会に電話をすることからはじめます。

社会福祉協議会に電話

私の場合も、まずは地元の社会福祉協議会に電話をしました。新型コロナの影響で、アルバイトがことごとくキャンセルになり、生活が苦しい状況にあることを、電話越しの職員さんに伝えました。

すると、「緊急小口資金(新型コロナ特例)を借りられるのが良いのではないでしょうか?」というアドバイスをいただきました。

緊急小口資金(新型コロナ特例)申請の流れとしては、まずは郵送で送られている申請書類を記入。身分証コピー他必要書類を同封の上、返送します。

そしてその書類に何か不備があった場合などは、社会福祉協議会に出向き面談があります。

その後、府(県)の社会福祉協議会に書類が送られ約2週間の審査の末に、もし審査が通過したら指定口座に入金される。大まかにはこういった流れになります。

そのときの電話から受けた印象としては、「緊急という名の割には、ずいぶん時間がかかるんだな・・」ということです。書類が受理されてからも2週間も審査にかかるなんて・・

とにかく1日も早く申請書類を完成させて返信するしかないと思いました。

緊急小口資金申請に必要な書類

それから2日後、申請書類の入った社会福祉協議会からの郵便物がポストに入りました。

緊急小口資金申請に必要な書類はいろいろあります。以下、まとめてみます。

申請書

郵便物のなかに入っている申請書類には、氏名、電話番号、住所、勤務先、借入希望金額、世帯の状況など記入欄があります。

また、「生活状況」という欄は、どうして緊急小口資金を借りたいのか、現在の生活状況を自由に記入できるようになっています。

減収を証明できるもの

新型コロナウイルスの影響で収入が減収していることを証明できる書類

社会福祉協議会によると、2020年2月~4月で収入が減ったと証明できるものを記録など何でもいいから用意してくださいとのこと。

私の場合、ひとつの会社に属しておらず、さまざまな日雇いバイトをやってきたため、2~4月の仕事一覧といくら稼いだかをエクセルファイルでまとめて同封しました。

ただ、後述しますが、書類不備で社会福祉協議会の面談に行くことになりました。

その原因は、申請書類のなかに、印鑑が抜けている場所があったこともあるのですが、「新型コロナで仕事が中止になったことが証明できる文書」も必要とのこと。

メールフォルダーに、アルバイト先から新型コロナの影響で仕事が中止になったことを知らせるメール文書がいくつか残っていたので、こちらをコピーして面談時に持参することにしました。

銀行通帳(またはキャッシュカード)コピー

振込先の銀行口座の通帳またはキャッシュカードのコピーです。申請書に、振込先の印鑑が必要なのですが、コピーする通帳(またはキャッシュカード)の口座に登録している印鑑と押印する印鑑は一致することが必要です。

住民票(世帯全員のもの)

住民票は、市役所で300円で取得しました。なお、注意点として、「世帯全員の住民票」が必要ということです。

私はうっかりしており600円使ってしまいました。というのは、間違えて、個人の住民票を最初に取得してしまったのです。結局、それでは駄目ということで、さらに300円を支払い、世帯全員の住民票を取得しなおしました。

ちなみに、住民票のを取得する際に市役所で記入する用紙には、いくつか迷う欄があります。マイナンバーは「記載しない」にチェック。本籍の欄はチェックを入れても入れなくてもよいようです。

印鑑

印鑑は、振込先の「銀行印」の他、「実印」が必要です。

印鑑登録証明書

私の場合、実印登録をしていませんでした。ですから、市役所に行き実印登録を新規で行いました。300円かかりました。

身分証明書のコピー

顔写真付きの身分証です。マイナンバーカード、運転免許証など。

電話がかかってくる

申請書類を社会福祉協議会に郵送してから3日ほどが経過。すると、社会福祉協議会から一本の電話がかかってきました。

申請書類が届いたとのこと。ただ、一部不備があるので、面談にきてもらう必要があると言われました。

不備は、押印し忘れている個所が2か所あるとのこと。また、そのとき、新型コロナの影響でアルバイトが中止になったことを証明するメール文書も持参してほしいといわれました。

そこで面談日を知らされたのですが、耳を疑い思わず聞き返しました。以下、大まかな職員さんとの会話を再現してみます。

職員さんとの会話

私「分かりました。では面談におうかがいさせていただきます。」

職員さん「面談日ですが〇月〇日が一番早い日程となりますが、ご予定はいかがでしょうか?」

私「ええ?あの・・〇月〇日って、16日も先ですか?」

職員さん「はい。大変申し訳ないのですが、申請の予約が現在、殺到しておりまして・・。」

私「しかし、これは緊急の制度ですよね?」

職員さん「はい、さようでございます。」

私「緊急なのに、そんなに時間がかかるんですか?」

職員さん「はい。さようでございます。」

私「16日先に面談があって、更に府の社会福祉協議会で2週間も審査期間があるということは、仮に審査通過しても、最短でも振り込みは1か月先ってことですよね?」

職員さん「さようでございます。私どもとしましては、一日も早くとは考えてはいるのですが・・」

私「1か月ってそれは・・。いくらなんでも遅すぎませんか?東京では申請から最短で4日ほど、遅くとも一週間以内に振り込まれるというニュースも観ましたが。同じ作業をするのに、こちらの市では、どうして1か月もかかるんですか!?」

職員さん「大変申し訳ございません。地域によってシステム上、いろいろ異なっている面もございまして・・。一日も早く対応とは考えておりますので・・。」

私「それなら、今日か明日に印鑑を持って社会福祉協議会様に寄らせていただくというのはいかがでしょうか?押印が抜けているだけなら、すぐに押せますし、追加の書類も数分で印刷できる状態です。」

職員さん「大変申し訳ございません。本日も明日もあいにく面談の予約が詰まっておりまして・・。どうしても順番をお待ちいただくということになりまして・・。」

私「緊急小口資金の制度は大変ありがたいものだと思います。しかし、私以外の方もきっとそうだと思うのですが、皆様、切羽詰まった状況で社会福祉協議会様に電話をかけているのではないでしょうか?」

職員さん「それは十分承知しているつもりでございます。皆様のことを考え、少しでも早い対応をとは考えてはおるのですが・・。」

私「1か月待たなければならないというのは、どうしても理解できないといいますか、東京都が数日でできることを、どうして1か月もかかるのでしょうか?」

職員さん「そのようにおっしゃる方もいらっしゃいます・・。お気持ちは重々理解させていただいているつもりでおります。またそのようなご意見があったということを上にも報告させていただければと思います。」

話をしてもラチが明かないので、その面談日で予約をとりました。

面談

ついにその日がやってきました。社会福祉協議会の窓口に到着すると、2人の若手職員さんが出てきて、小さな会議室に案内されました。

そこでは、提出した書類を机の上に並べて、押印が抜けている個所を教えてくれました。その2ヶ所に持参した印鑑で押印。アルバイト先からのメール文書のコピーを提出し、目を通していただき、10分ほどで終わりました。

これで市の社会福祉協議会では書類を受理したということになり、これから府(県)の社会福祉協議会に送られ、2週間後に審査結果が出るとのこと。なお、振り込みはそれよりも若干早い場合もあると教えてくれました。

職員さんは丁寧に対応していただきましたし、次から次へとやってくる申請者に一生懸命対応しておられました。ですから、これ以上急げと言っても無理なのだとは思いました。

ただ、この10分の作業のために16日待たされるというのは・・?と疑問にも思いました。

手持ちのお金は数千円のみ。緊急事態宣言が出ていて「STAY HOME」が合言葉になる中、とにかく仕事を見つけに街に繰り出すしかありません。生きるために・・。これからどうしよう・・審査が下りればいいのですが、もし却下されたら・・。ひとつの希望の光は見えたものの、やはり気は晴れず社会福祉協議会から足取り重たくトボトボと帰路につきました。

まとめ

緊急小口資金は非常にありがたい制度であるのは確かです。ただ、申請のために揃えるべき書類が多くあり、何より、審査が下りるまでに日数がかかりすぎる点は問題があると感じました(※市町村によって差があります)。

そもそも、生活費がなく困窮している人を対象にした緊急措置であるはずなのに、ここまで日数がかかれば、お金が尽きて、そのまま生きることをあきらめてしまう人も出てくるのではないか?と思ったのです。いずれにせよ、何らかの改善は必要な気がします。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました