私は大学の夏休みを活用して北陸にある温泉旅館で仲居のアルバイトをしたことがあります。いわゆるリゾートバイトと呼ばれるもので、約1か月間、その温泉旅館に住み込んで働きました。
求人は求人情報サイトで見つけました。リゾートバイトを斡旋している派遣会社に登録。行き先や職種は事前に選べるようになっていました。
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私が選んだ職種は仲居でした。テレビドラマ「はるちゃん」をよく観ていて、旅館の仲居として奮闘する主人公の姿に憧れを持っていたからです。
といってもドラマの世界と現実は違います。実際に働いてみたところ、仲居の仕事は思った以上にハードな仕事だとわかりました。旅館の仕事はとにかく朝が早いです。まだ暗いうちから起きだし、お客様の朝食からチェックアウトまでお世話します。全体ミーティングの後、当日の食事の数や変更点の有無など再度チェック。座席のセッティングを行い、厨房で料理が出来上がってくると、朝食の配膳を行います。入り口ではお客様にご挨拶。お食事がお終われば後かたづけ。ともしているうちにチェックアウトされるお客様のお見送りです。
お客様のチェックアウトが完了するとひと段落つきますが、夕方にはまた新しいお客様が大勢お見えになるので、お出迎えする準備を行います。お客様がチェックインされたら、お部屋へご案内して館内の案内を行います。そして並行して夕食は以前の準備。宴会場のセッティングを行い、カートを押して料理を並べる作業を進めていきます。お客様が夕食を召し上がっておられる合間には各客室でお布団を敷く作業をします。手際よくしなければ間に合わなくなります。スピードと手際の良さ、体力が求められる作業でした。
仲居の仕事は疲れても笑顔を絶やしてはいけません。少しでも気を抜いていると、女将さんやベテランの仲居さんから容赦なく厳しい言葉が飛んできます。叱られて泣いてしまったこともありました。ただ、仲居の仕事は、基礎ができるようになれば同じことの繰り返しなので体が自然と動くようになっていきました。
仲居の仕事はとにかくハードでした。ただ、嬉しいこともいろいろありました。例えば、仕事終わりに入る温泉。あたたかい湯に浸かって思う存分温泉の成分を体にしみこませる。格別でした。「私よくがんばったなあ」と思える休息のひとときでした。あとは食事ですね。一所懸命働いて空腹だったこともありますし、郷土の味覚を散りばめたまかないは本当においしかったです。都会では到底味わえない鮮度抜群の刺身の味は今でも思い出すほどです。
そして特筆すべきは、「人の温かさ」を味わえたこと。客室を案内したお客様などからの感謝の言葉を聞いたとき、仕事を通して自分が少しでも役に立っていることを実感できて心から嬉しく思ったものです。旅館で一緒に働いた仲間たちとのつながりも心に残りました。
旅館での仲居のリゾートバイトを終えて帰るとき「また待ってるからね!」と女将さんはじめ従業員一同が出てきて送ってくれたときは涙が出ました。叱られたこと、罵倒されたこといろんな苦労もありましたが、サービス業って素晴らしいなあと思いました。
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ちなみに私は現在、大学を卒業後、とある観光案内所で働いています。そのときのリゾートバイトの経験が土台になったことは言うまでもありません。おススメの観光スポット、宿泊施設など聞かれることがよくあります。そんなときは、リゾートバイトで見聞きしたことを思い出しながら、お客様視点でものごとを考え、自分なりに全力で対応しています。「ありがとう。参考になったよ」「サンキュー。助かりました」など喜びの声を聞くと嬉しく思います。これからもいろいろなことを学んで、お客様のために尽くしていきたいと思います。
(リゾートバイトの体験談 30代女性)