メーカーを脱サラして飲食経営者になって思ったこと(30代男性)

仕事を辞めた理由
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私は大学を出てから あるメーカーに就職しました。 そこでは 製品の 開発に携わったり海外の スタッフと交渉したりといったようなことをしていました。 でも働き始めてから7年ぐらいしてからこんな人生でいいのかというように思うようになりました。 給料は確かに安定していましたし世間で言ういわゆる大企業だったので ものすごく不満があったわけではありません。 しかし大きな資産を築くことはできませんし何より会社の中で使われるということは時間を切り売りするということであって自分の好きなことをできないという面が物足りなく感じるようになったのです。

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そんな私は 30歳 になった時に起業することにしました。 飲食店を自分で持とうと思ったのです。 元々 あっちこち美味しいものを食べに行くのが好きで 会社の休みを活用しては あれこれ食べ歩いていました。 それは趣味だったわけですけれどもその中で自分で料理をするようになり ワインやウイスキーの勉強をするようになりと言ったように セミプロレベルになって行きました。 そしていつしか自分の店を切り盛りしたいという思いが押さえつけられずに貯めた資金を活用してお酒を飲めるワインバーを開きました。

はっきりと言って周囲の人々は大反対でした。 特に 親戚は銀行などお堅い仕事を続けてきた人が多くて、 将来が見通せないような 仕事を自分であるというのは危険だからやめておきなさいと言われました。 ただ救いだったのは 独立しようと思った数年前に結婚した妻が やってみようと協力してくれたことです。

そんなこんなで7年ほどの年月が流れるわけですけれども今何とかお店を続けることができています。 最初のうちは右も左も分からなかったのですからお客さんがほとんど入ってこないという状況が続きました。 機材はリースして賃料もかかるわけですから赤字が続きました。 しかも最初失敗だったと思ったのはいきなり完璧を目指したこともあってソムリエを雇ったりしてとにかく人件費をかけてしまったことです。

その人件費がかなり経営を圧迫してみるみるうちに貯金がなくなってしまいました。 そして借金に手を出しこのまま雪だるま式に増えていくことが本当に怖いなと思いました。 ただそこで 考え直したのは出来る範囲でやろうということです。 経営時間についても最初は朝から夜遅くまで開けていたのですがそれを夕方からの営業という風にしました。 一見すると効率が悪いように見えるかもしれませんけれども 営業時間が限定されているということがあって逆にそれが話題になり客足は伸びました。

またメニューについても最初のうちは70種類ぐらい飲み物と 料理を合わせて揃えていたのですがそれも思い切って削減しました。 どんな飲み物でも出せるですとかあらゆる好みに対応するというスタイルは一見すると お客に親切で客足も伸びるだろうと思っていたのですかそうでもありませんでした。 それを思い切ってメニューを絞り込んで健康志向の料理とあとは 高級志向のワイン2種類に絞り込みました。 すると思いがけず客足が伸びました。

はっきりと言って手間がすごく削減されたので収益が落ちると思っていたのですがそれの逆に結果はなりました。 それはおそらくメニューを絞り込んだことによって店のカラーが前面に押し出されたからだと思います。 あらゆるメニューを置いているようなお店では そのお店の個性というのが分散されてしまって帰ってどのようなお店なのかどのような売りがあるのかが見えないものです。 それを思い切ってメニューを絞り込むことによって 個性が際立ったことがかえって良かったなと思っています。

それからは雑誌の取材が来たりもしたりして雑誌を見たという感じで来店されるお客様も少しずつ増えていきました。 その後行ったことはリピーターを増やすことです。 非常に単純なことしかしていませんが私たちが心がけたのはお客様一人一人とのコミュニケーションを少しでもはかりそれをしっかりと記憶しておくということです。

なぜそう思ったのかと言うと飲食店にいらっしゃるお客様というのは決してその料理や飲み物だけを求めてくるのではないという風に思ったからです。 その空間の居心地の良さというのもあるでしょうがそれよりもより印象に残りやすいのは人という存在です。

特に面白いことを しゃべったりする必要はないと思うのですがさりげなくお客様の求めていることを察知しつつお声掛けをさせていただく。 そういったことによってリピーターが増えていきました。 今の世の中というのは特にそうだと思うのですがそれぞれ寂しさを抱えているものです。 家庭に入ってる人もパートナーとほとんど家庭で会話をしないという人も増えているそうですし会社においても同僚と飲みに行くような機会が少なくなっている時代です。

そしてそれぞれは 自分のことを知ってもらいたい自分に気遣ってほしいという風に潜在的に思っているものなのです。 それは承認欲求と言いますか 自分の存在価値を認めてほしいというような願望がそれぞれにあるのではないでしょうか。

そういったことを考えた時来店されるお客様一人一人の顔と 話題などを覚えておきそれについてまるでツボを押すかのように一言お声をかけるということでリピーターが増えていたように思うのです。

リピーターが増えてくると お客様は Facebook や Instagram と言った sNS で今日はこの店でこういった料理を食べたですとかこういう仲間と会ったみたいなことを書き込んだりします。 それによってお店の情報が自然と拡散されていてそれを見てまた新たなお客様が店に来店されるというように二次的な効果がありました。

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そういったことも重なって なんとか今もお店を続けていることができているというふうに思っています。 ただ懸念されることとしてはこれからは AI の時代が始まると言われていることです。 すでに コンビニでは無人化も進んでいますしスーパーのレジに関しても 同じく機械が自動的に精算をするというような場面も増えてきています。 これからは人工知能を持った機械によって料理や飲み物が瞬時に作られそして会計などそういった作業もロボットがやる範囲が増えていくのだと思います。

ある意味飲食店は非常に大きな打撃を受けて行くのではないでしょうか。 そんな時代を見越していかにお客様のニーズに応えお客様の心をつかんでいくのかということがこれからの飲食業界に求められていくことではないかと私は考えています。

一つ言えることはどれだけロボットが人工知能の精度をあげようとしても人間ならではの心の温もりですとか絆というものは ロボットでは再現できないものだと考えています。

そのようにロボットではできないことを伸ばしていくというのが今考えていることです。最後に脱サラをして独立して良かったかどうかについてですが良かったと思うか悪かったと思うかまだ判断できません。

それは多分もっと長い年月が経って店を後継者に譲るときに思うことかもしれません。 ただひとつ言えることは 後悔がないということだけでもよかったのではないかと思っています。 一度きりの人生ですから 確かにリスクを負うことは誰でもしたくな だからといって何も挑戦しないというのももったいない話です。

私の場合脱サラをして自分の店を持つという目標を長く持っていたものですから、 その挑戦をできただけでもよかったのではないかと考えています。 もし挑戦することを避けていた場合 後々なってみてあの時思い切って挑戦をしていればよかったのにと後悔するかもしれません。 ですから もし今後経営が悪化して店をたたむことになったとしても それはそれで満足できるのではないかと私は考えています。

独立する時に 色々な人反対しましたが 今から考えてみるとどれだけ の根拠があって反対していたのかというのは不明です。 もちろん私のことを心配してくれてのこともあるので悪くは言いたくありませんが、 結構他の人の アドバイスや助言というのはいい加減なもんではないのかなと私は考えています。

例えば私のことをものすごく反対していた 銀行勤めの叔父の場合 ここ数年は私のことを言わなくなりました。 それは二つの理由があるからだと思います。 一つ目の理由は それなりに飲食業界で収益性が上がっているということが挙げられます。 もう一つは かつて安泰だった銀行という業界自体が今大きく揺らいでるということが挙げられると思います。

今の時代仮想通貨をはじめとするキャッシュレス社会がどんどん進んでいますし ネット銀行なら振込手数料など 一切かからずしてお金の出し入れをできるようなところも増えています。 銀行のビジネスモデルが 崩壊しつつあって銀行はリストラをしたり 合併をしたりして生き延びる ていますがそれも限界が近い将来来るのではないかと言われています。

私が独立する頃は 銀行はまだ安泰でしたが今の状況では私に説教できるような状況ではなくなったのが静かになったわけではないかと私は思っています。 結局はどんな業界でもそうですが時代の波によって 収益性が上がる分野も出てくれば収益性が下がる分野も出てくるということです。 特にインターネットの発達ですとか aivr ロッドなど色々な技術がどんどん導入されていくこの世の中では既存のビジネスモデルが崩壊するとともにどんどん新しい分野が出てくると思います。

会社勤めしていたら安泰という時代も終わってくるのではないでしょうか。 実際のところ例えばユーチューバーと言われる個人のプレイヤーたちが中小企業の利益よりもたくさんのお金を稼いでいるという状況も今の時代を象徴しています。 これからは会社に入っていたら安泰というわけじゃなくその中からいかに技術やノウハウを習得して自分一人でもお金を稼いで生きる術を作っていくというのが大切ではないかと私は思っています。

それが飲食業なのかと言われるとそれはちょっと違っているかもしれませんけれども、 自分のやってみたいことをダメ元でやってみるというのも人生の有効な使い方の一つだないかと私は思います。 もしうまくいかないと思ったならば軌道修正をすることも出来ますし、 時代の流行に上手く乗ってそれを活用して本業を盛り上げていくということもできるのではないでしょうか。

さてこれからの例はの時代というのはどんな時代になっていくでしょうか楽しみでありながら不安でもありながらでもコツコツと手元にあることをやっていくしかないかなと今は思っています。

  ( 40代男性 飲食業)

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