バイト先輩に誘われたマルチ商法の勉強会から逃げ帰った話(30代男性会社員)

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今から15年くらい前のことになりますが マルチ商法の勉強会に行ったことがあります。

きっかけは、バイト先でお世話になった先輩からかかってきた数年ぶりの電話。せっかくなので会おうということになり、カフェで会うことになりました。カフェでは 昔あったバイト先でのエピソードで盛り上がり、いつしか話題は健康の話になりました。

どうやら先輩は健康食品の会社起こしたらしく、成功しているというのです。 そして私の健康についてとても心配そうに話し始めました。

「△△君、健康についてどう考えてる? 俺にはわかるんだけどさ、君はあんまり長生きできないんじゃないかな?」

理由を聞くと、先輩によると経験をふまえ、直感的にそう感じるというのです。健康診断では多少血圧が高いと言われたことはある私ですが、特に大きな持病を抱えているわけではありません。

先輩は続けました。「20歳を超えて健康について考えてないってマジでやばいんじゃないか?今のうちから健康について考えとくべきだと俺は思う。少なくとも俺はそうしてる」

そして先輩は、手帳を取り出し、翌日に開催されるという健康食品の勉強会に私を誘ってきました。話によると10万円以上の価値のあるセミナーがなんと特別に無料だというのです。

しかも、その勉強会には先輩が尊敬してやまないというお師匠さんが来るというのです。そのお師匠さんはかなりの成功者らしく、大金持ちというだけでなく、人格的にも優れており、色々な人の相談にも乗っているというのです。

そのお師匠さんに私をぜひ会わせたいというのです。「人生においてこんなビックチャンスはなかなかないと思うよ。 君はラッキーマンだな」 。こうして先輩は、どこかに電話をして私の参加予約をとりました

そしてセミナーの日がやってきました。勉強会の内容は、確かに健康をテーマにしていました。妙にお金についての話が多かったことを記憶しています。

登壇者の話が終わったとき、私は先輩から、お師匠さんを紹介してもらいました。

私はお師匠さんというからには年配のインドア派の人をイメージしていました。

しかし実際に会うことになったお師匠さんは30代くらいで、肌黒くサーフィンをやってそうな体育会系の人でした。

私たちは一室で、健康ビジネスについての話をしました。

「君は何か夢がある?」

といきなり聞かれました。漠然とですが、沖縄の離島に旅行に行ってのんびりする夢を持っていたのでそれを話しました。

「いいねえ!一緒にその夢、叶えようよ!君ならできるよ !」とやさしそうに話してきました。

話によると、そのお師匠さんは、借金地獄だったのが、その会社で扱っている健康食品(サプリメント)のビジネスをし始めてから、どんどん軌道に乗り成功者になったというのです。

そして今は好きなだけ海外旅行に行き外車を乗り回しているのだとか。そして、そのサプリメントを毎日飲んでいて健康そのものだというのです。

「俺、バリバリ健康でさ。健康と金、それさえあれば、人は幸せになれるんだよね。君も俺みたいになりたくない?」

なんだかすごいなと思いました。 それからは健康ビジネスの内容について説明を受けました。

しかし、内容を聴くうちにこれはちょっと合わないなと私は思いました。

ニュースなどでしばしば問題になっていたマルチ商法ではないかと思ったからです。

そこで単刀直入に聞いてみました。

「これってマルチ商法ですよね!? ニュースで問題になっているのを観ました。」

すると、お師匠さんの口調が変わりました

「はあ?君はどうしようもないな。学校では勉強できなかった方じゃないか?」

お師匠さんによると、しっかりと商品を在庫として扱っているので、
ネズミ講のようなまがいものではなく、正真正銘のビジネスだというのです。

そして、アメリカを中心に、広く認知されていて超一流の有名人たちが
どんどん参入しているというのです。

「君はもっと世界のこともっと勉強したほうがいいよ。はっきり言って、さっきの
質問、レベルが低い質問だと思う」

しかし、私はいろいろな意味で違和感を感じたので、自分にはこのビジネスに
興味がないということを伝えました。 それに、医師や薬剤師でもないのに、
友人などにサプリメントをすすめることにはちょっと気が引けると答えました。

するとお師匠さんは顔色を変え、大激怒しました。

「オレはな、時給1万円の男といわれてるんだ。そのめちゃめちゃすごい俺がな、こうしてお前のために
時間を作ってやってるのによ、なめてるんか!?」

そして 近くの椅子を蹴りあげました。

お師匠さんはかなりキレやすい性格のようで恐怖を感じました。そのとき、ずっと
黙っていた先輩がようやく会話に入りお師匠さんのなだめました。

「〇〇さん、昨日の今日のことなんで彼はまだよく理解できないんだと思います。
△△君、もう一度考え直そう。をとりあえず今日はこれくらいにしておこう」

会場を後にしてから、なんだかひどい空しさを感じたことを覚えています。家に帰ってから
インターネットでその会社名でググってみると、マルチ商法の被害者の会
みたいなものも存在していることがわかりました。調べれば調べるほど胡散臭い
会社だと分かりました。

それからは毎日のように先輩から電話がかかってきました。でも私は出ませんでした。
信用できないと思ったからです。後輩を利用してお金稼ぎをしようとする
ような人とはこれ以上交流したくない。それが出した私の結論でした。

やっぱり地道に働くのが一番だな。そう思いました。

「マルチ商法の勉強会から逃げ帰った話」(30代男性会社員)

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